依存症の治療プログラム

当院は入院施設を持たない精神科のクリニックであるため、外来通院でのみ治療を行なっております。昨今の精神科領域では様々な治療が行われていますが、当院では依存症に効果があると認められている治療法を取り入れています。

各疾患ごとにプログラムを行っておりますが、大きく分けると以下の12種類があります。依存症治療といえば集団で行うというのが王道ですが、中には集団が苦手な方や仕事の都合でどうしてもプログラムの開催時間に来院できない方もいます。プログラムの中には個別で対応できるものもありますので、できるだけ患者さまのニーズに合わせた治療方針を検討します。

1. 個別精神療法(診察)

主治医と一対一の診察を行います。患者さまの現在の心身の状態を把握し、必要に応じて投薬調整も行います。集団では話しづらかったりフォローが行き届かない点についても、一対一であればじっくり検討することができます。

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2. 集団精神療法

別名テーマミーティング。断酒会やAAの「言いっぱなし聞きっぱなし」をルールとして、スタッフが持ってくるテーマについて考えたことや感じたことを患者さまに自由に話してもらいます。同じ問題を抱えた患者さま同士で共感し励まし合い、問題行動をやめ続けるモチベーションとなります。

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治療プログラム

3. 集団認知行動療法

科学的に効果が認められている認知行動療法に基づき作成したテキストを使用します。疾患によって全5回のものや全12回のものがあります。症状の再発防止のため、問題行動の引き金や対処行動について具体的に検討します。他の患者さまの話を参考にすることで、より多くの適応的な思考や行動を案出することができます。

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依存症 薬物療法

4. 薬物療法

主治医が必要と判断した場合に行います。アルコール依存症には抗酒剤や飲酒欲求低減薬、性嗜好障害には抗男性ホルモン薬など、問題行動の軽減に繋がる薬を用いることがあります。しかし依存症の症状そのものを治すことのできる特効薬はありませんので、精神療法との併用が必要です。また、問題行動によって生じるうつ症状や不眠といった二次的な精神症状も薬物療法の対象となります。

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5. 内観療法

1940年代に吉本伊信が身調べという浄土真宗の修行法をもとに内観という自己洞察法を始めました。内観療法はそれを1960年代から医療へ応用した治療法です。一人屏風の中に入り、身近な人(親、兄弟、配偶者、子など)に対しての今までの関わり(してもらったこと、して返したこと、迷惑をかけたこと)を振り返ります。これにより自分や他者への理解・信頼を深め、自己の存在価値・責任を自覚できます。通常は各地にある内観研修所へ1週間泊まり込んで行いますが、当院には専用の内観部屋があり、毎日通いで行うことができます。

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条件反射制御法

6. 条件反射制御法

下総精神医療センターの平井先生が開発した治療法です。パブロフ学説の行動原理を基に、問題行動の引き金となる状況や物を目のあたりにしたときでも欲求や衝動が生じなくなることを目指します。この治療法では患者さま自身が普段の生活の中でコツコツ取り組むことが重要です。

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7. 社会的技法訓練(SST)

患者さまの中には、自己主張ができず我慢してしまう、怒りのコントロールができず人とトラブルになるなど、ソーシャルスキルの不十分さがストレスの原因となっている方がよくいます。日常生活において大きなストレスを放置することは依存症の問題を悪化させます。そうならないよう、このプログラムでは対人場面でのストレス軽減を目指してソーシャルスキルを身につけます。

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読書療法

8. 読書療法

当院では依存症関連の本を多数用意しております。依存症とはどのような病気なのか、本に書かれていることを自分の病状と客観的に照らし合わせながら、自分のペースでじっくりと考えることができます。

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依存症 治療 マインドフルネス

9. マインドフルネス認知療法

行動療法、認知行動療法に続く第三世代と呼ばれる心理療法です。認知を修正するのではなく、「いま、ここ」にある自分の認知や感情、身体の感覚を受け入れることを目指します。依存症的行動は欲求や衝動の波に気が付けず飲み込まれた結果起きていると考え、自分の中で起きていることを客観的に眺められるようになるスキルを身につけます。

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依存症 家族相談

10. 家族勉強会

家族対象のプログラムです。依存症とはどういう病気なのか、その特徴や推奨される家族の関わり方や持つべき考え方など、基本的な知識を学びます。全5回です。

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11. クラフト

家族対象のプログラムです。依存症者本人と良いコミュニケーションを築くための考え方や声のかけ方について、実践を通して具体的に学びます。全8回です。

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依存症 家族相談

12. 家族教室

家族対象のプログラムです。毎回スタッフが持ってくるテーマに沿って家族自身の考えや感じたこと、体験を話します。他人に話せないような内容でも同じ問題を抱えたご家族同士であれば安心して話ができます。

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本人が来たがらない場合

まずは対応を相談するためにご家族が受診してください。依存症は家族とのコミュニケーション次第で問題行動は悪化も改善もします。本人との関係性が改善すれば治療に繋げる機会も増えるので今すぐご相談してください。