ネット依存症は別名ゲーム依存、ネット依存、インターネット依存、スマホ依存とも呼ばれることがありますが、2018年WHOによりゲーム障害という名称で正式に認定を受けました。これにより、2022年1月よりICD-11(WHOが作成した病気を診断するための世界的共通基準)では以下の内容が診断基準となります。

(1)ゲーム障害は、持続的または反復的なゲームプレイのパターン(デジタルゲーム、ビデオゲーム)を特徴とし、これはオンライン(インターネット上)またはオフラインでの可能性がある。

  1. ゲームに対するコントロール障害(ゲームの開始、頻度、集中度、期間、終了、環境)
  2. ゲームの優先順位を、他の生活上の利益や日常の活動よりも優先される範囲で上げる
  3. ゲームプレイにおいて否定的な結果が生じても、ゲームは継続またはエスカレートする。これらの行動パターンは、個人的、家族的、社会的、教育的、職業的、またはその他の重要な機能分野において重大な障害をもたらすのに十分な程度の重症度のものである。

(2)これらゲームプレイのパターンが、連続的または一時的かつ再発的であり、12カ月に渡って継続する場合、診断を適用する。ただし、すべての診断要件が満たされ、症状が重い場合は、必要な期間が短くなる可能性がある。

なお、この診断基準を十分に活用するには専門医のように知識と経験が必要であるため、自己判断で用いないよう気をつけてください。自分の病状がどの程度のものなのか気になるという方は以下のセルフチェックをどうぞ。

インターネット依存度テスト(Internet Addiction Test, IAT)

各質問の1~20について次の1から5の回答の中から、最もあてはまる番号を1つ選びクリックしてください。自分に関係のない質問であれば「全くない」を選んでください。アメリカのKimberly Young博士によって開発された20項目の質問からなるテストです。原版は英語です。おそらく、世界で最もよく使われているテストと思われます。年齢に関係なく使用できるテストとされています。この場合、利用する機器は、パソコン、携帯電話、スマートフォン、ゲーム機などオンラインで使用するすべてを含みます。

質問項目(20項目)

1、気がつくと思っていたより、長い時間インターネットをしていることがありますか?





2、インターネットをする時間を増やすために、家庭での仕事や役割をおろそかにすることがありますか?





3、配偶者や友人と過ごすよりも、インターネットを選ぶことがありますか?





4、インターネットで新しい仲間を作ることがありますか?





5、インターネットをしている時間が長いと周りの人から文句を言われたことがありますか?





6、インターネットをしている時間が長くて、学校の成績や学業に支障をきたすことがありますか?





7、他にやらなければならないことがあっても、まず先に電子メールをチェックすることがありますか?





8、インターネットのために、仕事の能率や成果が下がったことがありますか?





9、人にインターネットで何をしているのか聞かれたとき防御的になったり、隠そうとしたことがどれくらいありますか?





10、日々の生活の心配事から心をそらすためにインターネットで心を静めることがありますか?





11、次にインターネットをするときのことを考えている自分に気がつくことがありますか?





12、インターネットの無い生活は、退屈でむなしく、つまらないものだろうと恐ろしく思うことがありますか?





13、インターネットをしている最中に誰かに邪魔をされると、いらいらしたり、怒ったり、大声を出したりすることがありますか?





14、睡眠時間をけずって、深夜までインターネットをすることがありますか?





15、インターネットをしていないときでもインターネットのことばかり考えていたり、インターネットをしているところを空想したりすることがありますか?





16、インターネットをしているとき「あと数分だけ」と言っている自分に気がつくことがありますか?





17、インターネットをする時間を減らそうとしても、できないことがありますか?





18、インターネットをしていた時間の長さを隠そうとすることがありますか?





19、誰かと外出するより、インターネットを選ぶことがありますか?





20、インターネットをしていないと憂うつになったり、いらいらしたりしても、再開すると嫌な気持ちが消えてしまうことがありますか?





判定(チェックした合計点数:得点が高いほど依存の度合いが強いことになります)

【20~39点】: 平均的なオンライン・ユーザーです。
【40~69点】: インターネットによる問題があります。インターネットがあなたの生活に与えている影響について、よく考えてみてください。
【70~100点】: インターネットがあなたの生活に重大な問題をもたらしています。
すぐに治療の必要があるでしょう。 受診の検討を!

注)オンライン=接続している状態、オフライン=接続していない状態
開発者:Kimberly Young博士からライセンスを得て翻訳・使用
翻訳者: 久里浜医療センターTIAR
バックトランスレ-ションによる妥当性確認: Michie Hesselbrock教授(米国コネチカット大学)

本人が来たがらない場合

まずは対応を相談するためにご家族が受診してください。ネット依存は家族とのコミュニケーション次第で問題行動は悪化も改善もします。本人との関係性が改善すれば治療に繋げる機会も増えるので今すぐご相談してください。