薬物依存症という病気は昔に比べれば認知度が上がっており、治療が必要という認識も広まっています。司法の場においても同様で、裁判の際に本人が適切な治療を受け始めていることがわかれば、刑務所に入るのではなく社会内で治療を継続することが認められる可能性があります。

現在は刑務所内でも薬物離脱指導のプログラムが実施されておりますが、引き金が少なく使用欲求が生じにくい刑務所内で治療を受けるのと、常に引き金がある生活で治療を受けるのとでは、ご本人さまの取り組み方や治療意欲が異なります。そのため、公判日よりも早く当院に受診していただくことが重要です。

「何のためにどのような治療を受けているのか」「治療を受けてどのようなことを考えたのか、気づいたのか」について、患者さまが裁判で主張できる状態になっていることが望ましいでしょう。

薬物依存症の事件を扱う弁護士の方へ
ご本人さまから弁護の依頼を受けたら、速やかに当院に受診してもらうことをお勧めします。起訴される前や公判日前に治療を始め、ご本人さまの病気に対する理解を深めて動機付けておくことが望ましいでしょう。

神奈川県から薬物依存症の「依存症専門医療機関」 として選定されました

依存症専門医療機関とは、依存症に係る所定の研修を修了した医師等が配置され、依存症に特化した専門プログラムを行うなど、依存症に関する専門的な医療を提供できる医療機関として、当院が神奈川県から薬物依存症の専門医療機関・依存症治療拠点機関に選定されました。

本人が来たがらない場合

まずは対応を相談するためにご家族が受診してください。薬物依存症は家族とのコミュニケーション次第で問題行動は悪化も改善もします。本人との関係性が改善すれば治療に繋げる機会も増えるので今すぐご相談してください。