専門施設を選ぶのに知っていたら良いこと
国連や財務省の言うように、日本の専門施設は問題が多い。この問題を解決するマニュアルや支援者がない。このために優良な施設に適切に障害者を導くことができない。この結果として問題の多い就労継続A型、B型の施設に長期間に閉じ込められてしまう。しかし、有能な支援者に巡りあえれば、障害者の人生は良い方向に大きく変化する。
分かり難い文章なので専門施設向けに端的に解説するとこのように思います。厚労省の言うように、将来はこの問題を解決できるかもしれません。しかしながら今日専門施設を必要としている本人や家族はたまったものではありません。このためにこの問題を解決する現状でもできる方法を考えてみたいと思います。
選び方ポイント①
選び方ポイント②
多種類のサービスを展開している事業所に相談する
このために、施設を利用する時には、介護保険と同様に中立なセカンドオピニオンを求めることをお勧めします。しかしながら、民営化した以上は、完全に中立なセカンドオピニオンを探すことは非常に困難です。次善の策として、介護保険と同様に多種類のサービスを展開している事業所に相談することも良いと思います。
選び方ポイント③
専門施設の誰もが認める標準的な入所期間は現在まで定まっていません。この様な状況なので正確に言うことは難しいのですが、私は施設の標準的な入所期間は半年間~2年間と思います。しかし、意図的に長期間の入所を考えている施設は、利用者に自社の入所期間が長期間であることを知られるのを嫌がり、その施設の標準的な入所期間を利用者に正確に伝えるかどうかは分かりません。このために以下のことに注意してください。
1、施設を見学して利用者に入所期間を確認してみる
2、退所の時期を明確に示すことのできる施設か
すなわち利用者に退所の時期を明確に示すことのできる施設は、経営より利用者の利益を優先していることになります。
選び方ポイント④
断酒が安定しても就職活動、その後の職場定着、一人暮らし、金銭管理等に成功しなければ、病院に再入院になることは珍しくありません。厚労省が施設の評価として、就職率ではなくて、就職後6カ月間の就労継続を基礎とした就職後6カ月以上定着率を指定したのは、もちろんこのことを考えてのことと思います。
経済的自立まで視野に入っているか(就労は週2日のパートのような勤務か、生活保護でなく自分で経済的に自立して暮らせることができる週5日の勤務であるか)
また、経済的に自立できていないということは、依存的な生活が持続しているということです。このために甘えがでやすく、再び問題のある生活に戻りやすい傾向があります。多大な犠牲を払って長期間の施設入所をするのなら、自立した生活を手に入れるべきです。
施設を出た後にさらに次の就労系の施設への通所をすすめられる
この様なわけで、最初のB型等の専門施設を卒業できたとしても、次の施設でA型事業所というネガティブフォースに捕まってしまって、結論としては就労できないと考えているようです。しかし、厚労省のデータと異なり、臨床をする私は2つの施設を通過して、一般就労にたどりついた患者さんを少なからず知っています。しかし、この様な患者さんは軽症の患者さんで、本来なら2つの施設を利用しなくても一般就労できる患者さんです。むしろ短期で一般就労できる患者さんが、ネガティブフォースを持つ施設のために長期間施設を利用することになったと言うのが私の印象です。
選び方ポイント⑤
厚労省は定着率や就労人数を事業所に毎年報告するよう指示しています
B型事業所の工賃を公開しています
それでもなぜ利益重視型の施設が選ばれるのか
第1の理由は情報不足です。全国的に有名な「利益重視型」の施設は悪い評判が世間に出まわることもあります。しかし今回のようなデータがなければ、あなたに施設を勧める人も全国のデータを知っているとは限りません。私自身も今回のデータを集めるまでは、単なるうわさでどのタイプかを判断するしか方法がありませんでした。このためにどの施設が「利益重視型」なのか正確に判定できませんでした。そして「利益重視型」が選ばれてしまいます。
第2の理由は病院等から退院する時によくおこります。退院日等が決定しているために、専門施設に期日までに入所しなければいけない状況が起こります。専門施設が全国的に余っているわけではありません。あなたやあなたに専門施設を勧めるサポーターの人が「利益重視型」の専門施設だとわかっていても、退院の期日の問題があるために、患者さんを積極的に入所させる「利益重視型」しか選べないわけです。もっとわかりやすく言うと、「現代病状重視型」の施設があったとすると、その施設は人気が出ます。そのために利用者が集中し、入所まで長く待つようになります。(良質施設は待機が長い)また施設側も多数の希望者がいるので、問題の少ない利用者を選ぶ傾向があります。ただちに入所を決定しなければいけない利用者は問題が多い傾向があり、待てないために「現代病状重視型」の施設は選べないことになります。でもこれは利用者サイドだけの問題ではなく、「現代病状重視型」の施設にも問題があると思います。(施設側が利用者を選ぶ構造)
わくわくワーク大石は「現代病状重視型」の施設ではありませんが、私はわくわくワーク大石の社会復帰するという方針を、利用希望者にはよく理解してもらうようにと指示しています。そして、わくわくワーク大石の方針に納得される利用希望者は、軽症であろうと重症であろうと、また過去に問題があろうとなかろうと、受け入れるように指示しています。また本人の入所の意思の決定には時間をかけます。しかし一旦本人の通所、入所の意志が決定し連絡があったら、一般の病院と同様にその日より1週間以内に入所できるように努力しています。
1、情報不足
2、退院期限など時間制約
3、良質施設は待機が長い
4、施設側が利用者を選ぶ構造
まとめ
現在わくわくワーク大石では施設に入所したら、「金は生活保護から支給されるもの、あるいは両親が面倒をみてくれるもの」という考え方を捨て、「自分が働いて稼ぐものである」という考え方に変えてもらうために、就労訓練をして工賃を稼いで生活してもらいます。そして朝7時に朝食を食べて、8時30分から17時30分まで週に5日間仕事をするという習慣を身に付けてもらいます。言語を利用した治療では身につけにくく、就労訓練という実体験を通じて身に付けることができるこのプロセスは、自立するのに絶対に必要なプロセスで10ケ月かかります。また言語を苦手とする発達障害、知的障害の利用者にも適応も十分にあります。その後求職活動に入ります。そして、生活保護費以上の月給の仕事を見つけるのに、求職の多い横浜では2カ月間の期間が一般的です。合計12カ月ですが、わくわくワーク大石にも2年間以上通所する利用者がいます。問題と思います。しかしそう遠くない将来、12カ月以内の短期間で実行する専門施設が多数出現すると思います。そしてそれが一般的になると思います。そして、専門施設もプログラムを改善させ、受け入れる社会も変化すれば、私は6カ月でも十分に可能と思います。
日本は遅れていますが、世界の精神医療は脱入院、脱施設、在宅化の流れが決定的になっています。ブラック軍団の一員であるわくわくワーク大石も変容を遂げて、短期間で社会復帰させるポジティブフォースを持つホワイト軍団に変化し、国連に勧告されることなく将来も一般社会に受け入れてもらえるように努力したいと思います。
宇都宮病院の事件から精神医療は立ち直るのに40年間の歳月が必要でした。専門施設で同じことを繰り返さないためには、以下の4点につきると思います。
- 専門施設の正確な情報を流すこと
- 過去の精神病院の閉鎖的、長期入院が問題であったのと同様に、閉鎖的、長期間通所する専門施設は問題であることを認識すること
- 世界の流れは脱入院、脱施設、在宅化となっており、専門施設が増加することは将来の大きな問題となる可能性があることを認識すること
- 一般社会へ短期間で移行させる、ポジティブフォースを持つ専門施設を増やすこと










































